私が実際に読んで印象に残った本をご紹介させて頂きます。
現在勤めている造園会社の事務所にあった本で、結構古い本の様です。
【庭師の知恵袋】 豊田英次 編
著者:豊田英次 発行所:株式会社講談社
1989年6月26日第一刷
会社の事務所で、休憩中にふと手に取って読ませて頂き、フムフムなるほどな~と、結局、借りて帰り熟読!
造園業界で長く経験を積まれた著者ならではの、お庭に関する本。 よく見るお庭の本とは一味も二味も違います。
思いっきり現場目線!!! 職人の経験から来る物言いがまた良いです!
著者が、これから庭いじりを始めてみようという人、
庭いじりは大分慣れているが、もう一つ、庭師の様にすっきりと仕上がらないという人の為に、
できるだけ実用的に、仕事の一端を分かりやすく披露したいと思いで、まとめておられます。
結構古い本なので、現在では?と思う個所もありますが、
長い間、庭師の先輩たちから伝統的に受け継いできた仕事! 基本は今なお変わらず、非常に勉強になります。
庭師の心がまえとは
耳で聞くのは、なにもお施主さんの要望だけではない。
木の気持ち、土の心もよく聞かないといけない。
音はお施主さんの声であり、また、木の声、土の声でもある。
ともかく職人は、いい耳をもたなくては駄目だ。
納得いくまで何遍も何遍も聞いて、
よしと決まってから、本腰を入れて仕事にかかる。
庭師の知恵袋より
こう言う現場目線、経験を重ねてきたからわかることを盛り込んである本は、貴重です。
また、本の裏表紙にはこんな文も
庭師の心がまえとは
庭師は四六時中、勉強だ。松花堂や幕の内弁当の仕切り方などは、色といい、とてもいい勉強になる。
私の住む京都は一二〇〇年の都だ。
完成されたといっていいほどの美(文化)が日常生活に息づいているから、毎日のように発見がある。
即、造園に生かせないとしても、見る目をきちんと養っておけば、必ずいつかは役に立つものだ。
庭師の知恵袋より
この本は、昔から先人達が実践してきた造園技術やコツ、などを収録してあります。
現在の技術や機械化、社会的変化の進んだ造園環境にも生かせる具体的で有益な情報も多数あります。
また、造園や庭師に限らず、様々な方々、技術職の方や全く違ったジャンルの方、などにも読んでほしいです。
なには忘れていたヒント?のような物が見つかるかも知れませんよ!
▢ 古い本のため、現在はビジュアル版も出てます。